健康

おしっこがすっきりしない……。女性の残尿感の原因は?

「おしっこの後になぜかすっきりしない」「残尿感がある」

残尿感は女性に起こりやすい健康トラブルのひとつです。昔は40代以降になると増加するといわれていましたが、近年では20代でも残尿感に悩む方が多くなっています。残尿感にはさまざまな原因が考えられますが、そのひとつが尿路感染症です。この記事では、残尿感の原因について解説するとともに、尿路感染症の症状や治療方法・予防方法などについてもご紹介します。

 

女性に起こりやすい残尿感

 

尿が残っていないのに残尿感を覚えることがある

残尿感とは、尿をしたのにスッキリしない・尿が出し切れていない感じがするといった症状のこと。気になって何度もトイレに行ってしまう人も。しかし、多くの場合、実際に尿が残っているわけではないと考えられます。

特に40代以降の女性に多く見られる症状です。しかし最近では、精神的なストレスや日頃の排尿習慣の影響で、若い世代の方でも残尿感に悩む人が増えています。

 

残尿感は女性に起こりやすい

残尿感は、男性に比べて女性の方が多い傾向があります。その理由は、女性の尿道は男性のそれよりも短いから。男性の尿道は15cm前後なのに対して、女性の尿道は3〜5cmほどしかありません。そのため、陰部から尿道を通って膀胱に雑菌などが侵入しやすくなり、膀胱トラブルが起きやすいのです。次項で解説しますが、膀胱炎がその代表的なものです。こういったトラブルにより残尿感が出ることもあります。

 

残尿感がある場合に考えられる原因は?

 

残尿感の原因は多岐に渡ります。排泄や性交渉・精神的なストレスや冷え・睡眠不足といった日常的な習慣が影響していることもあれば、膀胱炎をはじめとする膀胱に起きる疾患が原因であるケースも。

 

日常生活の習慣が原因で残尿感を覚えやすくなることも

 

・排便・排尿後、後ろから前に拭いている

排尿時や排便時、後ろから前に向かってトイレットペーパーで拭く人もいるかと思います。これは膀胱トラブルを招きやすくする行為なので要注意。尿道口に大腸菌などの細菌や雑菌がつき、菌が増殖して膀胱炎などにつながるおそれがあります。

 

・温水洗浄便座が不衛生である、温水洗浄を使いすぎている

温水洗浄便座は便利なものですが、衛生状態は大丈夫でしょうか。ノズル部分が不衛生だと、尿道口周辺に雑菌がつきやすくなります。また、毎回温水洗浄をする方は要注意。洗いすぎると粘液まで洗い流されてしまい、体を菌から守る防衛機能が低下してしまうこともあります。

 

・不衛生な状態の性交渉をしている

不衛生な状態での性交渉でも、尿道口から細菌が侵入することがあります。

 

・冷え・ストレス・寝不足などで自律神経バランスが乱れている

自律神経のバランスがくずれると、体温を調節する機能がうまく働かなくなり、体温が下がりやすくなります。すると膀胱や尿管が収縮し、残尿感が現れることがあります。

自律神経バランスの乱れは、体の冷えや睡眠不足・精神的なストレスなどさまざまな要因によってもたらされます。

 

膀胱炎の症状のひとつである場合も

女性の残尿感は、膀胱炎によるものが多いと言われています。前述したように、女性は尿道が短いため尿道口から膀胱に雑菌が侵入しやすく、膀胱に炎症が起きることが多いのです。膀胱炎にかかっている場合、残尿感以外にも以下のような症状があらわれます。

 

・トイレに行く回数が明らかに増える(頻尿)

・排尿時、特におわりのタイミングで下腹部がツーンと痛む

 

悪化すると血尿が出ることも。膀胱炎は慢性化したり繰り返したりしやすいので、心当たりのある方は泌尿器科に相談するようにしましょう。

 

残尿感の原因は尿路感染症?

 

残尿感の原因が「尿路感染症」という病気であるケースも考えられます。

 

尿路感染症とは?

尿路感染症は、尿路を通じて侵入した病原体に感染して起きる症状の総称です。感染が起きる部位によって、膀胱炎と腎盂腎炎・尿道炎に分けられます。尿路に侵入した病原体は、通常は尿によって体の外に排出されます。しかし、なんらかの原因で体外に排出されずに尿路を上にのぼり、炎症を起こすことがあるのです。

 

尿路感染症を招く原因

尿路感染症を招く病原体には細菌やウイルス・真菌などがありますが、最も多いのは細菌です。中でも大腸菌による感染がほとんどで、尿路感染症の原因菌の8割程度とされています。

 

かかりやすい人とは?

「残尿感は女性に起きやすい症状」と紹介しましたが、尿路感染症は年齢・性別問わず誰でもかかる可能性のある病気です。1歳前後の小さな子どもでもかかかることがあります。

 

尿路感染症の症状

尿路感染症にかかると、残尿感だけでなく以下のような症状もあらわれます。

 

  • 膀胱炎の場合

・残尿感

・排尿時の痛み

・頻尿

・尿の混濁

・尿失禁

 

  • 腎盂腎炎の場合

上記の症状にくわえて……

 

・38℃以上の発熱

・血尿

・腎臓部分の痛み(背中側が痛む)

 

  • 尿道炎の場合

・排尿時の痛み

・頻尿

・尿意切迫

・尿道から分泌物や膿が出る(男性でクラミジアや淋菌が原因である場合)

 

尿路感染症が悪化したら?

尿路感染症の中でも最もやっかいなのが、腎盂腎炎です。尿道口から侵入した細菌が尿路を上にのぼって腎盂に達し、炎症を起こします。尿路感染症のなかで最も症状が強く、ときには血液を通して細菌が全身に広がる敗血症を招くこともあります

 

尿路感染症の病院での治療方法

 

排尿痛・残尿感などの症状が現れた場合は、できるだけ早めに泌尿器科に相談しましょう。

 

尿路感染症の検査

尿路感染症が疑われる場合、まずは尿検査が行われます。尿検査では、尿の中に白血球が含まれているかどうか・どのような細菌が存在するかなどを顕微鏡で調べます。また、他の疾患の可能性を探るために血液検査を行うこともあります。

 

尿路感染症の治療方法

一般的な治療方法は抗菌剤の処方です。全身状態が比較的良い場合は、1〜2週間抗菌剤を服用することで改善します。高熱が出ている・水分や食事がとれない・血圧が下がっている・全身状態が悪化しているというケースでは、重症化して敗血症になったり腎臓に障害が残ったりする恐れもあるので、入院の上で抗菌剤の点滴をはじめとする処置を行います。

 

排尿習慣を見直して尿路感染症と残尿感を予防しよう

 

陰部の清潔を保とう

尿路感染症は、尿路から細菌が侵入することがきっかけで始まります。ですから、まずは細菌を入れないために、陰部の清潔を保つようにしましょう。女性の方は、トイレットペーパーで拭くときは「前から後ろに」を意識してください。こまめに入浴やシャワーをしたり、おりものシートを使ってショーツを清潔にしたりすることも大事です。

 

排尿習慣を改善しよう

尿道口から入ってきた細菌が膀胱や腎臓に達しないようにするためには、尿路に付着した菌を尿で流すことが大事です。そのためには、おしっこは我慢しないようにしましょう。我慢すると細菌が繁殖しやすくなります。仕事などの都合で無理なときもあるかもしれませが、できるだけ「尿意を感じたらすぐに出す」を意識してください。

 

サプリメントを摂取しよう

クロレラを服用することで、慢性膀胱炎患者の尿路感染症予防が期待できることが示唆される研究が実施されています。詳しくは以下の記事をごらんください。

「クロレラの女性慢性膀胱炎患者の尿路感染症予防効果と排尿パラメーターに対する影響」

 

まとめ

残尿感があるとなんだかすっきりせず、気持ちが悪いものですよね。「とはいえ命に関わることでもないし……」などと、ついつい放置してしまってはいませんか?残尿感に悩んでいる方は、膀胱炎をはじめとする尿路感染症の可能性も。気になる症状がある方はぜひ早めに泌尿器科に相談してみましょう。